γ(ガンマ)計算

研修医向け

まとめ(覚えてほしいこと)

[γ]=[μg/kg/min]

C[γ]=BW×0.06[ml/h]

※C:薬の濃度[mg/ml]、BW:体重[kg]

γとは

[μg/kg/min]という単位の略称です。

いつ使うの?

鎮痛薬、筋弛緩薬、循環作動薬などを持続投与するときに、体重に配慮するために使います。例えばレミフェンタニル0.3γ、ロクロニウム7γ、ノルアドレナリン0.05γ、ドブタミン3γのように使います。薬によっても違うんですね。これがわかると麻酔科チェックノートに書いてある薬の使い方が実践できるようになれます!

なんで計算するの?

持続投与するためのシリンジポンプはml/hrなので、単位換算が必要なのです

一度単位換算を見てみましょう

まず[γ]=[μg/kg/min]は定義です。1分あたりを1時間あたり、つまり60分あたりにするために右辺を60倍してみましょう。

[γ]=[μg/kg/min]=60[μg/kg/h]

つぎに1μg=0.001mgなので

[γ]=60[μg/kg/h]=60×0.001[mg/kg/h]

つまり  [γ]=0.06[mg/kg/h]

体重をBW[kg]とすると

[γ]=BW×0.06[mg/h]

これで1γは1時間あたりに何mgの薬を投与すればいいか、ということがわかりました。しかし、シリンジポンプはml/hであり、薬液の単位はmg/mlです。次が少し難しいのですが、薬の濃度をC[mg/ml]として右辺を割ってあげると

[γ]=BW×0.06/C[ml/h]

これで単位がml/hになりました。でもこれは覚えにくいですよね。なのでCを左辺に移して

C[γ]=BW×0.06[ml/h]

と覚えていただきたいのです。この利点は人が決まれば体重は固定なので右辺は固定値(たとえば50kgならいつも右辺は3ml/h)となり、あとは薬ごとに考えればいいということになるからです。

具体例1:レミフェンタニル

体重を50kgとしましょう。すると

C[γ]=50×0.06[ml/h]=3[ml/h]

レミフェンタニルは2mg/20mlです。つまりC=0.1[mg/ml]なので

0.1[γ]=3[ml/h]

あとは0.2γなら6ml/hですし、0.3γは9ml/hとなります。

具体例2:ロクロニウム

体重は同じように50kgとしましょう。ロクロニウムの原液は50mg/5mlなのでC=10[mg/ml]です。代入して

10[γ]=3[ml/h]

5γで持続投与したいなら1.5ml/hで投与すればいいということですね。

以上、γ計算でした。麻酔科や循環器内科、心臓血管外科でしか使わないかもしれませんが、あまり敬遠せず、使っていくと慣れていくと思います。ノルアドレナリンなどでもぜひ考えてみてください。

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