導入時の気道管理1

気道

マスク換気できない、その時どうする?

いざ全身麻酔の導入をしたものの、マスク換気がうまくできないと怖いですよね。どのように対応していけばいいか、シンプルにステップアップしていくつもりで見ていってください。

Step0:換気できていないことに気付いて!!!

換気がうまくいけば、バッグを揉むのに合わせて心窩部が上下し(一般に胸の上がりと言いますが個人的には心窩部が一番動きが見やすい)、手を離したときに呼気でマスクが曇り、EtCO2が上がってきます。この現象がみられないならおそらく換気できてないと判断して、次のStepに進みましょう。焦って一生懸命バッグを強く揉んでも、圧力では気道は開通せず胃が膨らむだけです!!!問題が起きているのは左手なのです。

Step1:まず下顎を持ち上げて上気道を開通!その上でマスクフィットを修正!

うまく換気できないとき、それは上気道が閉塞しているのです。上気道の閉塞は基本的には舌根沈下で生じます。この解除方法が頭部後屈と下顎挙上です。皆さんが左手で作っているEC法の薬指と小指で顎をぐいっと持ち上げましょう。(詳しく知りたい人は「Triple Airway Maneuver」を検索。)そして、空気漏れしている場所を閉じるようにマスクの力の加減を変えたり、看護師さんに押さえてもらったりしてマスクフィットを直しましょう。上気道が閉塞したままマスクフィットを直しても、酸素は行き場を失い、結局マスクフィットの弱いところから逃げるしかなくなります。

Step2の前に:バッグがあまりにも軽くてすぐぺっちゃんこになってるとき

ぱすぱすと、あまりにもバッグが軽いときは蛇管や人工鼻などが外れている可能性があります。人工呼吸器の出口からマスクまでちゃんとつながっているか確認しましょう。

Step2:経口エアウェイの挿入と二人法を試す。

肥満の人や下顎突出ができない人では左手で頑張っても舌根沈下が解除できない場合があります。そんな時は躊躇せず積極的に経口エアウェイを使用しましょう。また、両手でダブルEC法にして誰かにバッグを揉んでもらったり、人工呼吸器を開始して一人で二人法を行う、というのもありです。

それでも換気できないとき、どうしたらいいでしょうか?

ここで答えを予想して、次回、導入時の気道管理2へ進みましょう。

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