TAVIでBAVしたときの合併症

心臓麻酔

BAVとは

BAVは大動脈弁狭窄症に対するバルーン大動脈弁形成術のことで、風船で大動脈弁を拡張させます。実は1980年代に始まった治療で、1カ月程度は治療効果が期待できるようです(逆に言えば1カ月程度で再度狭窄してしまいます)。TAVIでSapien(バルーン拡張で留置するタイプ)を留置するときに状況に応じてBAVを行います。

BAVのあとに血圧が低迷するとき

BAVのあと基本的にはVペーシングRate80/分で血圧を保てることが多いのですが、保てないときは急性ARが主な原因です。出血や心タンポナーデの可能性もあるのでエコーで心のう水をチェックしつつ、麻酔科ができることは昇圧剤の投与(ネオシネジン、エフェドリン)とポンピングによる輸液負荷です。根本解決は弁の留置になるので循環器の先生にはなるべく早く弁留置に入ってもらいましょう。弁が留置されると先ほど入れていた昇圧剤の影響で高度の高血圧をきたすことが多いですが、弁留置までの時間を稼ぐために仕方がないことなので、その時にニカルジピンで下げるしかないです。

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